2013年10月14日
大学生の夏休みボランティアin山元町 その2 (8月10日~12日 8月23日~25日)
*写真は山元町県道38号線から建設中の大型堤防、被災の跡が色濃く残る中浜小学校を見ている参加者の様子
宮城県にある【東北学院大学】には災害ボランティアステーションという組織があります。2011年の東日本大震災へのボランティア派遣について、他の大学からの災害ボランティアを一旦東北学院大学でストックし、必要な地域に派遣するというものです。この夏休みを活用した被災地へのボランティア体験:山元町&周辺地域の引率者として第1クール8月10日~12日、第2クール8月23日~25日に参加してまいりました。
私と東北学院大学のボランティアとしての関わりは2012年からです。と言っても元々家が近い上に私の母校でもあるので震災前から身近な存在ではありました。
さて、前回のブログでは山元町内で最新鋭の試験農場を運営するGRAでの実習でした。今回のブログでは最終日に実施した「見る・聴く」の
初日の様子を紹介した前回のブログ
http://fightmiyagi.da-te.jp/e594711.html
東北学院大学災害ボランティアステーションのホームページ
http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/volunteer/
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「見る・聴く」
災害直後に必要とされる災害ボランティアは2年の時間を経て形を変えております。ボランティア活動を通して見えて感じて来る物も2011年当時と現在では変わってきました。ボランティア活動を経験するのと同じく大事なのは「現在を良く知る事」です。短い期間で出来る限り幅広くしってもらために支援としての災害ボランティアの活動経験とより広く「見る聴く」を重視した時間を設けました。
この取組のコンセプト・・・
1.震災前~東日本大震災~現在までの時系列を体験してもらう
2.普段・日常を一度リセットする経験をする
3.1と2の空間と自分達の住む空間の近さを体感してもらう
とくに3の場合、映像や言葉で伝えるには限界があります。そして、一箇所で集中して実施するボランティアの作業も広く見て回る、聴いて回ることには向いておりません。上述したように東北に来る回数が少ない関東・関西の人達に、彼らの知識の中では「被災地」と一括りになっている地域で営まれている「日常」を短い時間で経験してもらうという意図で実施しました。
取組
第1クール(8月12日)・・・山元町内の各取組を実施している人達の話を聴いて回る【インタビューツアー】
第2クール(8月25日)・・・常磐線浜吉田駅から徒歩で山下駅跡まで【ウォークラリー】
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インタビューツアー 第1クール(8月12日)
お話を聴かせていただいた皆さん…
橋元商店の橋元さん、りんごラジオの高橋さん、ブドウ畑とワイナリーに取組む内藤さん、普門寺の坂野住職さん
お話を聞かせていただいた皆さんに共通する部分・・・ほぼ同じ時期に東日本大震災後の風景を見て~現在に至るまで町内で取組や経営・事業を続けている皆さんです。2日目にお世話になったGRAの皆さんも同様です。スタートした時期ときっかけになった出来事は同じ、そこからそれぞれ派生したいった結果を参加者に見てもらおうという試みです。
この写真は橋元商店の正面に在る山下駅跡地です。この線路から東側は住居も畑も点在しており営みが在りつつも町の再建に線を引かれた地域です。橋元商店は丁度その境にあります。線路を越えるか否かで風景が変わります。橋元商店の立地にはそんな意味があります。
ちょうど営業中のお客様が来店する中お邪魔しました(すいません)。お忙しい店主の橋元さんに代わりちょうどいらっしゃった橋元さんのご親戚の方に震災当時のお話も聞かせてもらいました。震災直後から2011年当時の店舗再開~現在に至るまで。加えて改装で一旦外した写真も見せていただきました。
2件目にお邪魔したのが、ブドウ畑・ワイナリーの再生に取組む内藤さん・・・ちょうど内藤さんの支援している団体の催しのようで植樹を行っていました。少しだけ我々もお邪魔を・・・
賑やかでした・・・
この写真の場所もいつかはブドウ畑になる日を願ってます・・・
内藤さんからのお話も終わってお昼休み・・・県道38号線を南下して磯浜漁港に行きました。途中の風景を説明しながらでしたが、まっさらに成りつつも大型堤防や被災の跡を色濃く残す中浜小学校を通過していきました。参加者の中には地元の学生も居れば東北初の学生もおります。思いも様々だし感想も様々でしょう。ただ、言えるのは私が彼らと同じ年だった頃この写真の通りを「楽しく」バイクで走っていた。車で走って釣りに出かけていました。現在の彼らは私と同じ歳にあの時期のような海の思い出はナカナカ作り辛いのが現状です。今の東北沿岸で若い世代が海の思い出を作るのは難しいです。海を走りながらふと思う一場面でした。
食事が終わり今度は山元町のラジオ局「りんごラジオ」へ・・・いつも見学にいくときは「すいません今日見学できますか?」・・・と突然のお願いをするんですが・・・いつも突然ですいません。りんごラジオが何故始まったのか・・・?始まりの頃や今に至るまでの話・・・等など。ありがとうございました。
りんごラジオのホームページはこちら
http://ringo-radio.cocolog-nifty.com/
そして第1クール(8月12日)のツアー最後の訪問先はテラセンが場をお借りしている普門寺へ。ちょうど住職さんやセンター長がお忙しくしてたので、私がご紹介
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ウォークラリー 第2クール(8月25日)
2013年の春に復旧した常磐線浜吉田駅まで乗車し、その後徒歩で以前の山下駅まで約6.5Kを歩いてゆっくりとしたスピードと目線の高さで、肌で感じてもらうという試みです。ここまで長い距離の町内ウオークラリーは初めてでした。
ただの原っぱが震災前はどうだったのかを写真との比較で進めていきました。大災害の結果を肌で感じることを狙っておりますが…どのように感じられたか?いずれも、自分自身が感じた当時の空気感を可能な限り伝える手段として試してみました。さてさて…これがどう咀嚼されるのか?
ウオークラリーのルート(google map)
https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=zGxgcco_KVqo.kxCLPHHS0aI8
さて、そもそもですがJR常磐線そのものに乗車するのが久しぶりです。社会人になって車を購入するとほとんど利用しなくなりました。車窓からみる風景はなんだか学生時代を思い出すものでした・・・。山下駅まで来て欲しかったな・・・
スタート地点の浜吉田駅
電車が来ない時期も浜吉田駅は夜に明かりが灯っていました。2012年頃に気が付きましたが、いつから明かりが灯っていたのでしょうか?その当時の未だ暗さが目立った山元町から来ると明かりが多い亘理浜吉田は何とも羨ましく思ったものです。
スタート前の説明の図
浜吉田駅からローソン亘理浜吉田店の在る海側へ・・・この踏切を越えると町並みが変わってくる
ローソン亘理浜吉田店・・・ローソン再開以前は夜になるとここから山元町側が真っ暗という時期も有った。現在も被災地域特有の荒涼とした風景が広がる。そんな中でひときわこのコンビニが日常を醸し出しとても安心する。
県道38号線の周辺のことを説明。以前は畑・田んぼ・生垣・家がずっと並ぶ道路だった。今はただただ平野が広がる。
学生さんが家の基礎部分を草むらから見つけた。日常があった跡です。
工事の看板・・・今も町内にはこういった工事中の看板があちこちにある。広大な草むらの草刈に大分お金がかかっている。
北は浜吉田駅、南は廃線となった線路跡が有る踏切
山元町山下地区 北坪路のあたり・・・このあたりは大分生活が戻ってきました。写真は寄付によって建てられたミニ図書館【みんなの図書館】
山下駅に着きました!!
ウォークラリーでは常磐線の線路を挟んで東西を見てもらいました。線路のは電車のための道路です。何故かこれが町の再建の境界線になってしまった・・・。行けば分かることの一つに政策の決定をされた場の矛盾が在ります。地図でみれば分かりやすい路線・道路・・・確かに境界線に見える。でも線路の真ん中に立ってみてほしい。その両端に安全の差は有るだろうか?何か大きな差があるだろうか?そういった所も体感できる時間にしてみました。
写真は境界の末端。山下駅から海側を望んでおります。この風景の反対側に町の再建計画の多くが注ぎ込まれます。
最後は福島県相馬市松川浦に行ってきました。観光・賑わい・休業せざるをえない漁船の数々・・・壊れた建物・綺麗な海・・・色々混ざった地域です。
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ワークシェアリング
第1クールと第2クールともに最終日の最後の時間を使って、この経験を何に役立てるか?を話してもらいます。ただの旅行、ただの見学、ただ農業体験に成らないのはこの時間が最後に有るからです。
被災した町の現在を数日間体感できた経験者として次に何をするのか?今回のテーマ「メッセンジャー」としてどう動くかを各自で話し合ってみました。同じ風景・同じ経験をしたけど発せられる結論は様々・・・やはり面白いですね。
そして、最後の最後のまとめ・・・
東日本大震災がきっかけで始まった相互扶助の形:災害ボランティア
しかし、災害は既に他地域でも次々に起きております。そこで動ける側の人間に成れるのか?感じ取れる人に成れるのか?是非そうなって欲しいという想いを込めてお話しました。
今年も多くの出会いと沢山の経験・気付きをもらえる貴重な機会になりました。引率という立場ですが教えてもらうのは私のほうですし、町の皆さんの協力なくしては成立しません。ありがとうございました!
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Posted by 梅田尚=梅さん at 14:54│Comments(0)
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